[36]ベイジアン信頼性解析を適用した非定期構造検査に関する研究

板垣浩（横浜国大）、篠塚正宣（南カリフォルニア大）、朝田洋雄、伊藤誠一（航空宇宙技研）

運航中の詳細目視検査から収集した少数ではあるが有効な情報を有するデータを用い、不確実要因を推定しながら、適切な非定期検査スケジュールを導くに際して、ベイジアン信頼性解析が有用なことを検討した。多数の危険構造部位を持つ与圧胴体を構造モデルとして取り上げ、疲労き裂発生寿命とき裂進展を不確実要因と置いて数値計算を行った結果、適切な値を推定し、破壊部位数を極少に抑え得ることが明らかになった。

[37]固有関数を用いた薄板構造物の弾塑性解析法（第3報信頼性解析への適用）

上田幸雄（阪大）、正岡孝治、岡田博雄（大阪府大）

本論文では前報までに提案した矩形板要素を構造モデルに適用した。スラミングを想定し、曲げモーメントと剪断力が同時に作用する場合の最終強度解析に本解析法を適用した。構造体の最終強度解析に信頼性観析を適用することにより、最終強度の信頼性に影響をおよぼすパラメータについての検討を行った。

[38]ローカルアプローチに基づく等価CTOD概念の提案と継手破壊性能評価への応用

大畑充、南二三吉、豊田政男（阪大）、田中輝幸、有持和茂（住友金属）、A. G. Glover（NOVA）、T. H. North（University of Toronto）

本研究で提案したローカルアプローチに基づく等価CTOD概念の適用により、広幅引張り試験片の破壊性能を三点曲げCTOD試験結果から有効に推定できることが検証された。

[39]鋼材の脆性き裂伝播・停止の力学モデル（3）−混成型試験への適用−

粟飯原周二（新日鉄）、町田進（東大）、吉成仁（東大）、土田豊（新日鉄）局所破壊応力に基づいたき裂伝播モデルを混成型試験に適用した。き裂が高速で助走板から試験板に突入する際の速度履歴とき裂伝播・停止の挙動を計算できる。き裂が靱性の高い試験板に突入すると側板表面に生成するリアリップの厚さが不連続的に増加するために、き裂伝播を抑制する力が急激に増加してき裂停止をもたらす。き裂が伝播あるいは停止するかは側板板厚中央部の動的応力拡大係数と動的破壊靱性値の大小により決定される。温度勾配型二重引張試験で得られるき裂停止靱性値と混成型試験で得られる停止靱性値が一致しない現象は従来の静的取扱いでは説明できなかったが、本モデルではリアリップ生成の差により説明できる。

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